Google広告を利用するにあたって、コンバージョン設定は一番初めに行わなければならない設定です。正しくコンバージョン設定ができなければ、Google広告自体のパフォーマンスを改善することができません。現役のプロが徹底的に・丁寧に、詳しく解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。
Google広告でのコンバージョン設定方法だけではなく、そのコンバージョンを活用した運用用法・データを見る時の注意点まで詳しく解説させていただきます。
本記事によって、こんなことを学び、実際にできるようになります！
・コンバージョンで設定できる項目が知れる
・Google広告コンバージョン設定のメリットを知れる
・Google広告コンバージョン設定のオススメの方法が知れる
・Google広告コンバージョン設定の具体的な設定方法がわかる
・Google広告コンバージョンの分析方法を知れる
・Google広告コンバージョンを活用した運用のコツが知れる
Google広告のコンバージョンとは？
コンバージョンという言葉は販売促進における成約を指しております。ただし、そのコンバージョンの定義は企業・商品・サービスによって異なります。「マイクロコンバージョン（mCV）」と呼ばれるコンバージョンの1つ手前のコンバージョンまで含めると、以下のようにさまざまなケースがございます。
・会員登録
・商品やサービスの購入
・予約完了
・資料請求
・公式LINEアカウントへの友だち追加
・電話問い合わせ
Google広告では上記のようなさまざまなコンバージョンが存在しています。目的にあったこれらのコンバージョンをGoogle広告内で正しく設定することが大切です。
Google広告で正しくコンバージョンを設定することのメリット
Google広告で正しくコンバージョン設定ができるようになることによるメリットについて解説いたします。具体的に3つのメリットについて解説いたします。
①Google広告の最適化を最大化させることができる
Google広告では「機械学習」というAIが搭載されております。コンバージョン設定を正しく行うことで、この機械学習（最適化）を最大化させることができ、パフォーマンス改善が望めます。特に、Google広告の入札戦略で「コンバージョン数の最大化」「コンバージョン値の最大化」を設定した場合、このコンバージョン設定が正しく設定されていることはマスト条件です。
逆にコンバージョン設定が正しく設定されていないと、機械学習が進まずパフォーマンスが改善されない事態となります。そのため、未設定・設定エラーなどが起きるとダメなので、正しい設定方法を本記事で習得してください。
②数値ベースで判断できる
Google広告でコンバージョン設定を正しく行うことによって、どこにボトルネックがあるのかを可視化することができ、広告の改善を行うことができます。コンバージョン設定以外のインプレッション・クリック・消化予算などは、誰でも見ることができますがコンバージョン設定は設定しなければ可視化できません。
しかし、ビジネスの成功に直結して、広告運用で一番見なければならないポイントはコンバージョンです。どの広告文が悪いのか・どのクリエイティブが悪いのか・どのキーワードが悪いのか、これらの判断基準はコンバージョンを最優先で見るべきポイントです。CV（コンバージョン）ベースでCPA（顧客獲得単価）を改善し続け、自社の利益を最大化させることができる用に努めてください。
③複数のコンバージョンポイントがある場合、有効なコンバージョンが計測できる
コンバージョンを設定する場合、商品・サービスにもよりますが、コンバージョンポイントが1つではなく、複数あるケースがございます。
例えば、Google広告の1つのキャンペーンで問い合わせ・LINE登録・電話問い合わせのコンバージョンが設定されていた場合、どのコンバージョンポイントがユーザーにとってコンバージョンしやすいかがわかります。マネタイズポイントが問い合わせ後にある場合は、オフラインデータと掛け合わせをすることでどのコンバージョンポイントが一番利益に繋がるのかを計測することができます。
Google広告のコンバージョン計測ができないケース
少し余談ですが、非常に大切なお話を解説いたします。Google広告も含めた広告では、LINE登録・電話問い合わせなど別URLに遷移しなかったり、外部サイト・ツールへ遷移したうえでCV（コンバージョン）する場合、実数のコンバージョンを取得することができず、ボタンクリックをした数＝コンバージョン数となることを予めご了承ください。（有料の外部ツールなどを導入すると計測できるようになるケースがございます）
LINEボタンクリック：クリック数の計測しかできない（実際に友だち追加されたかどうかは計測できない）
電話ボタンクリック：クリック数の計測しかできない（実際に電話が発信されたかどうかは計測できない）
Google広告コンバージョン計測の3つの種類
Google広告において、コンバージョンを設定する方法は以下の3つです。
１，直接コンバージョンを設定する
２，Googleタグマネージャー（GTM）を利用してコンバージョンを設定をする
３，Googleアナリティクス（GA）のインポート機能を利用する
今回は、初心者の方でも計測できることを前提に記事を作成しておりますので、よく使われていて初心者でも設定ができる「GTM」と「GA」に絞って解説いたします。
Google広告のコンバージョン設定方法（Googleタグマネージャー(GTM)）
Googleタグマネージャーは、略して「GTM」と呼ばれています。Googleタグマネージャーは、タグの発行や管理を無料で行うことができるツールです。Google広告で設定したコンバージョンの設定をGoogleタグマネージャーで設定・管理することでコンバージョンを計測することができるようになります。
Googleタグマネージャーで設定するメリット
Googleタグマネージャーの一番のメリットは、無料で利用することができる点です。かなり多機能にも関わらず、無料で利用することができる点はすごいの一言です。機能も非常に便利で以下のような特徴がございます。
・他のタグやコンバージョンも全て一元管理することができるようになる
・一度設定方法を覚えると、他でも応用が利く
・プレビューを確認することで、設定のミスに気付くことができる
Googleタグマネージャーで設定する具体的な方法
では実際に、どのような手順でGoogle広告とGoogleタグマネージャーを設定するのか解説いたします。今回は、Googleタグマネージャー（GTM）を初めて利用することを前提として解説いたします。
今回はサンクスページ（/thaks）に到達した場合をコンバージョンとする例にして、解説いたします。
Google広告管理画面での準備
１，Google広告へログイン
２，画面右上のスパナマーク「ツールと設定」から「コンバージョン」をクリック
３，コンバージョン画面左上の「＋新しいコンバージョンアクション」をクリック
４，「ウェブサイト」をクリックして、ドメインのURLを入力、「保存して次へ」をクリック
５，「カテゴリ」「コンバージョン名」「値」「カウント方法」を設定 して、「完了」をクリック
６，編集画面から「グローバルサイトタグ」「イベントスニペット」をコピーして保存、完了をクリック
７，グローバルサイトタグを、Webサイトの全ページの＜head＞ 内に設置
８，イベントスニペットタグを、コンバージョンページの＜head＞内に設置
こちらでGoogle広告側の設定は完了です。コンバージョンID・コンバージョンラベルを保存しておきましょう。
Googleタグマネージャー（GTM）の準備
１，GTMを開き、「無料で利用する」をクリック、Google広告アカウントでログイン
２，コンテナの設定でコンテナ名を入力、プラットフォームで「ウェブ」を選択
３，GTMの利用規約を読み問題なければ同意
４，GTMタグがポップアップされるので、両方コピー
５，実際にそれぞれをウェブサイトの「head」と「body」に挿入
６，タグをクリックして、新しいタグを追加
７，左上に管理しやすい名前を入れて、タグの種類に「Google広告のコンバージョントラッキング」を選択
８，「コンバージョンID」と「コンバージョンラベル」に保管していたテキストを挿入
９，トリガーを選択して、画面右上に表示されている「＋」から追加
１０，トリガー「ページビュー」を選択、一部のページビューを選択
１１，「Page URL」「含む」「thanks」を入力して保存
１２，Googleタグマネージャーのトップページに戻って右上の公開を選択して公開
この流れで、Google広告の管理画面・Googleタグマネージャーの両方をすべて完了させれば終了です。Google広告の管理画面のコンバージョンから正しく設定できているか確認してみてください。
Google広告のコンバージョン設定方法（Googleアナリティクス(GA)）
Googleアナリティクスでコンバージョンを設定して、アナリティクスからgoogle広告へコンバージョンをインポートすることができます。こちらがGoogle広告のコンバージョン設定において、筆者の一番オススメな方法です。
Googleアナリティクスで設定するメリット
Google広告のコンバージョン計測をGoogleアナリティクスで設定するメリットは以下です。
・Google広告と他の広告の比較がGA上でできる
・Google広告とGAの連携作業がカンタン
Googleアナリティクスの設定・操作方法の知識が必要になるので、最初は少し戸惑う部分もあるかもしれませんが、連携作業自体は簡単でエラーなどもGTMと比較すると起きにくいのでオススメです。
ユニバーサルアナリティクス（UA）を活用したコンバージョン設定
では実際に、どのような手順でGoogle広告とGoogleアナリティクス（UA）を設定するのか解説いたします。Googleアナリティクスで設定した目標をGoogle広告と連携してインポートいたします。必ずGoogle広告の運用前に連携（リンク）させておきましょう。
今回はサンクスページ（/thaks）に到達した場合をコンバージョンとする例にして、解説いたします。
Googleアナリティクスでの準備
１，Googleアナリティクス・ユニバーサルアナリティクス（UA）を開く
２，左下の歯車マークの「管理」をクリック
３，ビューの階層の「目標」をクリック
４，左上の赤いボタン「+新しい目標」をクリック
５，①目標設定は「カスタム」を選択
６，②目標の説明は名前を入れて、「到達ページ」を選択
７，③目標の詳細に「到達ページ・先頭が一致」で「thanks」と入力
こちらでGoogleアナリティクス側の設定は完了です。次にGoogle広告側の設定を行います。
Google広告に目標をインポートする作業です。以下が手順です。
１，Google広告へログイン
２，画面右上のスパナマーク「ツールと設定」から「コンバージョン」をクリック
３，コンバージョン画面左上の「＋新しいコンバージョンアクション」をクリック
４，「インポート」をクリックして、「Google アナリティクス」を選択して、「続行」をクリック
５，Google アナリティクスで設定した目標がGoogle 広告にインポートされていたら、設定は完了
いかがでしたでしょうか。筆者のオススメはGAを活用してGoogle広告側のコンバージョン設定を行うことです。GTMの設定と比較すると作業が非常に簡単です。もちろんGTMの操作に慣れている人はGTMで行っても問題ないです。自分に合ったGoogle広告のコンバージョン設定を行いましょう。
Google広告でコンバージョンが計測されないときの見るポイントと対処法
Google広告では、正しく設定できているかどうかについて管理画面からも確認することができるので非常に親切です。実際の確認方法について解説いたします。
コンバージョン確認の手順
１，Google広告へログイン
２，上のスパナマークの「ツールと設定」をクリック
３，測定の「コンバージョン」をクリック
４，「ステータス」を確認
ステータスで確認すると以下のようなテキストが表示されているかと思います。
コンバージョン設定見直しは不要
・最近のコンバージョンはありません（7日間コンバージョンなし）
・コンバージョンを記録中（正しく計測できている証）
・削除済み
コンバージョン設定見直しが必要
・未確認（タグ設置ができていない）
・タグが無効になっています（Googleでタグが認識できていない）
このようにコンバージョン設定の見直しが必要なステータスの場合で広告を運用してしまっている場合、早急に設定を見直してください。
Google広告コンバージョンによる分析方法と運用のコツ
今回、Google広告を運用するにあたって、必ず設定しなければならないコンバージョン設定方法を紹介いたしました。特にGA・GTM（筆者のオススメはGA）で設定をすることで問題なく計測することができるので、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
最後に実際の分析方法と運用のコツについて、解説いたします。大きく分けると5つございます。
【分析1】コンバージョン計測データを100％信じない
一番初めに、読んでいる方からすると「？」とはてなが浮かんだ方もいるかと思いますが、いくらコンバージョン設定をプロが正しく設定したとしても、数値の乖離が生まれて正しく計測することはできません。
（例）アシストコンバージョンもコンバージョンにカウントされる
例えば、他のSNS広告なども併用して広告を掲載しているケースで説明いたします。2日前にGoogle広告経由でウェブサイトへ到達したユーザーが、本日Meta広告を見てコンバージョンしたとします。
ウェブサイト上ではMeta広告でのコンバージョンとカウントされますが、Google広告の管理画面でも同様にコンバージョンがついています。このようにアシストコンバージョンと言われるコンバージョンが付くケースがございます。（クッキーなどの兼ね合いでこのコンバージョンが計測される・されないはケースバイケースで、断言することができません）
【分析2】GA上のデータとGoogle広告管理画面のコンバージョン日時にズレがある
これはGoogle広告を運用している中で、一番と言っても過言ではないくらい質問をいただきます。Googleアナリティクスでコンバージョンと見なされる日時とGoogle広告の管理画面からコンバージョンと見なされる日時には決定的なズレがあるケースがございます。
（例）一度ウェブサイトを訪れたユーザーが離脱してもう一度ウェブサイトに戻ってきてコンバージョンしたケース
例えば、初回ウェブサイト訪問が2日前・コンバージョンしたのが本日だった場合、「Google広告の管理画面では2日前にコンバージョン」したことになりますが、「Googleアナリティクス(GA)では本日コンバージョン」したことになります。
そのため、Google広告とGoogleアナリティクスでコンバージョン数のズレが起きるのはこのためです。この特性は必ず知っておいたほうが良いでしょう。
【運用のコツ1】数件のコンバージョンで判断しない
上記の分析からも読み取れるように、コンバージョンにはさまざまな理由でズレがございます。コンバージョン数が相当数ない状況で、広告文・クリエイティブ・キーワードなどを判断してしまうと、実は効果が良かったものを止めてしまう・効果が悪かったものに予算を増やしてしまうなど、本末転倒になってしまうケースがございます。
誤差・乖離がある前提で、ある程度のボリューム感があることから数値的判断で改善を繰り返すことを教訓にしていただき、正しい分析・運用を行いましょう。
【運用のコツ2】あらゆるコンバージョンデータから分析・改善する
コンバージョンを正しく設定すると、Google広告の管理画面全てに反映されます。コンバージョン分析を行うケースとして例えば、「地域別」「年齢別」「性別別」「世帯年収別」「デバイス別」「キーワード別」などあらゆる面から分析ができるようになります。
このようにコンバージョンが設定されていれば、さまざまな角度から分析・改善を行うことができたり、Google広告の機械学習が正しく運用されたりといったメリットしかありません。本記事を通して、完璧にマスターしましょう！わからない点などあれば、お問い合わせからご相談いただいても問題ございません。
まとめ
今回、Google広告でのコンバージョン設定方法から分析方法・運用のコツまで解説させていただきました。Google広告の運用で一番初めにつまづきやすい点は、コンバージョンの設定が正しくできないことです。本記事を参考に、正しいコンバージョン設定の方法をマスターしてください。
しかしながら、Google広告でコンバージョンを正しく設定してもさまざまな要因でズレが生じることも解説させていただきました。コンバージョン数・コンバージョン率などを正しく分析して、改善し続けなければパフォーマンスは向上しません。Google広告特有の精度の高い機械学習を使うことでパフォーマンスを向上させましょう。
Google広告のコンバージョン計測はGTM・GAを使えば難しくありません。しかし、そのコンバージョンデータをもとに分析・改善運用するにはスキルと経験が必要です。Google広告の運用代行・インハウス化支援を希望している場合は、ぜひマイチームスにお任せください！経験豊富なプロがあなたの会社の利益に貢献する広告運用を行います。